【 禅語 / 二文字 】

禅語

禅思想を短い語句に凝縮したものが、いわゆる「禅語」といわれるもの。
禅語の解釈は、時に類似した語句において相反する解釈がされる場合もある。
茶道のお稽古で茶碗や茶杓の銘に使ったり、
茶席の掛軸やビジネスでのコミニュケーションツールとして活用してください。

【 阿吽 】(あうん)

《意味》
相手を馬鹿にしては生まれない呼吸。物事が始まる時から終わるまでの呼吸が簡潔で、理屈や説明がいらない。
 

【 一鏡 】(いっきょう)

《意味》
波ひとつ立たぬところから、清澄明白な一点の曇りもない鏡にたとえられる。人間誰もが元々持っている般若の智慧にもたとえる。
 

【 一如 】(いちにょ)

《意味》
「一」は不二、すなわちただひとつの絶対。「如」は不異にして不変に変化しないこと。相対するもの、たとえば身体と心、主観と客観とがピタッとひとつになったところであり、三昧境である。唯一無二、純一無雑の絶対平等の世界。亭主と客が一如であれば、俗事の騒音の入る余地がなく、無心の世界、平安の境地が開け、これこそ一座建立である。
 

【 一声 】(いっせい)

《意味》
人間や動物に限らず、動作の中のある一つのことが契機となって、覚えず発せられる声のこと。
 

【 一灯 】(いっとう)

《意味》
ひとつの灯火。灯は闇の中に浮沈する衆生を救う光で、釈尊の教えのたとえとなる。
 

【 恁麼 】(いんも)

《意味》
こんな。そんな。このように。そのように。今話題にしている状態にあるものを指示する語。
 

【 雨情 】(うじょう)

《意味》
雨の心。粉糠のような雨は、地上のすべてのものを優しく包んで潤すが、それは天の恵みの美しい心の発露である。
 

【 雲外 】(うんがい)

《意味》
雲の上。
 

【 雲閑 】(うんかん)

《意味》
煩悩の汚れも、迷妄の闇もすべて取り払われ、心にかかる何物もなくなった安楽の境地。
 

【 円覚 】(えんがく)

《意味》
円満な仏の悟り。完全無欠な仏の智慧。満ち足りていて欠けるところがないことから「円」といわれ、しばしば月をそのたとえに用いる。
 

【 円相 】(えんそう)

《意味》
◯は「一円相」ともいい、宇宙の究極の姿を意味しています。森羅万象、宇宙全体の姿。世界の究極の形を最も簡潔に表現したものが円だというのです。
 

【 延寿 】(えんじゅ)

《意味》
年齢の延びること、いのち長きこと。
 

【 花月 】(かげつ)

《意味》
花と月。春夏秋冬の風雅を楽しむ、その道の達人の最もよい対象である。花といえば中国では牡丹であるが、日本では桜、春の象徴でもある。
 

【 果然 】(かぜん)

《意味》
果たして、案の定、予期した通りということ。また、意外な事態や結果に対しても驚きの語気を伴って用いることもある。
 

【 嘉楽 】(からく)

《意味》
喜び楽しむこと。
 

【 鶴鳴 】(かくめい)

《意味》
鶴が鳴く。『詩経』の「鶴鳴」に「鶴九皋に鳴き、声天に聞こゆ」とある。「九皋」は奥深いところをいう。
 

【 閑坐 】(かんざ)

《意味》
あらゆる妄想や雑念を捨て去って静かに坐禅すること。
 

【 求道 】(きゅうどう)

《意味》
仏の教えである菩提・仏果・般若の智慧を、願い求めること。
 

【 悟道 】(ごどう)

《意味》
真実の道、大道に目覚め悟ること。誰でも道を歩いているが、その道が見えていない。大道を歩いているつもりでも、小道で迷っているかもしれない。
 

【 乾坤 】(けんこん)

《意味》
『易経』に「乾は天なり坤は地なり」とある。 「乾」は天、陽、日、男、「坤」は地、陰、月、女を象徴し、「乾坤」は全宇宙、全世界のことを表す。
 

【 暄風 】(けんぷう)

《意味》
春の風であり、陽風ともいわれる。暄は温暖の意味。
 

【 虚空 】(こくう)

《意味》
空間のこと。無辺の空間が一切の事象を包含し、その存在を少しも妨げない空界のこと。さらにそれをとりまく無限の広がりを指し、心や存在する物の本質を指し示す。
 

【 坐忘 】(ざしてぼうず)

《意味》
「荘子」にある語、坐して自分自身を含めた全てを忘れること。全てを忘れ、天地と一体になることで、初めて本当の自分の姿(小さな自分)があらわれてくる。天上天下唯我独尊。
 

【 颯々 】(さつさつ)

《意味》
風が爽やかに吹きすぎていく音。何でもない自然の声は、ぼんやりとした心では聞こえない。
 

【 三玄 】(さんげん)

《意味》
「三玄三要」の三玄。臨済禅師が弟子に示した三つの段階。「体中玄」「句中玄」「玄中玄」の三段階。「大中玄」は形の中に真実を求めること。「句中玄」は言葉の中に真実を求めること。「玄中玄」は形や言葉にとらわれないで、真実を求めること。
 

【 自適 】(じてき)

《意味》
自分の心にかなうこと。自分の楽しみを楽しみとする。
 

【 守黙 】(しゅもく)

《意味》
黙っているさま。黙然無言の境地こそ最高とした。
 

【 松濤 】(しょうとう)

《意味》
「濤」は波立つさま。松風の音を波にたとえた詩語。風の音は聴覚であるが、あえて波のキラキラと輝く視覚に置き換えて強めたもの。
 

【 承天 】(じょうてん)

《意味》
天命を承るの意。宮城の南面中央の門を承天門という。
 

【 翔雲 】(しょううん)

《意味》
めでたい雲のこと。「瑞雲」と同義である。
 

【 春芳 】(しゅんほう)

《意味》
芳香な春の草のこと。
 

【 洗心 】(せんしん)

《意味》
禅宗では、掃除を大事にする。掃除は功徳であり、掃除即仏法とされる。洗心とは心を掃除すること。心は実体の無いものの為、煩悩が次々と起こり厄介なもの。心の掃除を怠らないようにしたいもの。
 

【 即心 】(そくしん)

《意味》
「即」は「間髪を入れず」というところで、「すなわち」「すぐに」等の意。その立脚する処が、絶対真実以外の何物でもない処。
 

【 知足 】(ちそく)

《意味》
「足ることを知る」ということ。足ることを知る者は、たとえ貧困であっても心が満たさており安らかである。しかし、足ることを知らない者は、どんなに裕福であっても心が満たされず、常に不安にある。大切なのは、欲望を無理やり抑えることではなく、もうこれで十分だと思える気持ちを持つことです。足ることを知るには、まず自分自身を知ること。自己の分限を知る。
 

【 当機 】(とうき)

《意味》
「当機」とは、機を逸せず、当にその時、そのものずばり、間髪入れないという意味。禅では、師匠が弟子を育てる時に、弟子の色々な答えに対して、その答えが終わるか終わらないうちに、パッと機をとらえて即断を下す、それを「当機」という。
 

【 無事 】(ぶじ)

《意味》
これは、『臨済録』にある「無事是貴人」(ぶじこれきにん)の無事であり、表面的には文字どおり、何事もないこと、無事息災という意味です。しかし禅では全てのはからいを捨てて、外に向かって求める心を断ち切った境地のことを「無事」という。
 

【 不識 】(ふしき)

《意味》
名を聞かれた達磨大師が「知らない」と答えた。名を知るとか知らないとか言うはからいを捨て、自分を見なさいと言う気持ちをあらわす。
 

【 払心 】(ほっしん)

《意味》
心を払うということであるが、その心は煩悩と菩提の両方とも払いのけて、それを超えた無心の心をいう。
 

【 忘筅 】(ぼいせん)

《意味》
筌は魚を採る道具。魚は「悟り」と考える。魚つまり悟りを得、その境地に達すれば、悟りを得る為の手段は必要なくなる。
 

【 無我 】(むが)

《意味》
我に対する否定を表し、「我が無い」と「我ではない」との両方の意味がある。無我は執着、ことに我執を否定し、それを超越したもの。
 

【 無心 】(むしん)

《意味》
なにものにも心をとどめないこと。心を空っぽにして、自由になること。
 

【 鹿鳴 】(ろくめい)

《意味》
鹿は餌を見つけると、鳴いて友を呼んで一緒に食べることから、賓客を招き宴会をする意味に用いられる。
 

chachamaru

chachamaru

[茶道]に出会って約30年。 200名以上の方を指導をした経験を活かし、 まだ茶道に出会ってない方にも茶道の良さを知って頂きたいとの思いです。

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